東京からの帰りの新幹線です。
 東京駅1階にある「お弁当祭」で、晩ご飯のお弁当を買いました。
 とにかく、幕の内弁当が食べたくて、目についた「東京弁当」を選びます。
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 ベタです。
 いかにも東京帰りです。
 最後にもっかい東京を味わい大阪に帰るというテイです。
 値段を見ることなくレジに向かって、言われるまま6,000円ほど財布から出しました。
 新幹線の座席に座り、さぁ、食べようと袋から出します。
 お品書きまで付いているお弁当です。
 ふといくらなんやろ?とお値段が気になります。
 箱を持ち上げて確認します。
 わお!1,850円です。
 これぞ旅の醍醐味です。
 そうよね、3つ買って6,000円ほど財布から出したよね。
 さっきはスルーしたお品書きをとくと見なければならない気持ちになります。
 築地のどこそこの卵焼きとか、なんかいろいろと由緒書きされています。
 卵焼きは甘すぎて庶民のお口には合わずでしたがそれ以外は美味しかったです。
 さすが東京弁当です。
お弁当も食べ、あとは新大阪を目指すのみとなりました。
 17時半発でしたので、外はすでに暗くなっています。
 行きのように富士山を観ることは無理でしょう。
 諦めます。
うつらうつらしながら名古屋を過ぎます。
 その後、京都を過ぎたら新大阪はすぐそこです。
 もうすぐ新大阪です、とアナウンスが聞こえてきます。
 新大阪で降りる人は多そうです。
 荷物を持った人がデッキに並び始めます。
 その列が車両通路まで延びてきました。
 私は進行方向に向かって前から3列めです。
 その横の通路にも人が並んでいます。
 棚に上げた荷物を膝に抱えて座席で待機します。
すると前方、デッキからガタンと大きな音がしました。
 続いて
 「キャ!」という女性の声。
 デッキにいてる別の女性、開いているドアから見える女性が「大丈夫ですか?」と尋ねます。
 「大丈夫じゃないです!」と声が聞こえます。
何があったのかわかりません。
 デッキの何かが落ちてきたとか、当たって女性が倒れたとか、そんなことを想像しましたがどうも違うようです。
 「そのまま動かん方がいい」や「誰か緊急ボタンを押して」とざわつきます。
 車両の前方の壁には非常用赤いSOSボタンが見えます。
 通路にいてる男性がそれを押しました。
 新大阪駅に停車するため、スピードが落ちていた新幹線はガタンと止まりました。
 少しして後ろから車掌さんがやってきました。
誰かが貧血で倒れたようです。
 そんな様子を伺わせる言葉が聞こえてきます。
 叫び声をあげた女性が倒れたわけではなさそうです。
 車掌さんはビーと鳴り響くブザーを止めようと押下されたSOSボタンを引き上げようとします。
 そんなことでは元には戻らないようです。
 「どなたが押されました?」と聞かれ、押した男性が手をあげます。
 それだけです。
 押した人の確認を取っただけのようです。
 その頃には倒れた人も問題なさそうな様子が伺えます。
 車掌さんは一旦戻り、ブザー音を止め、新幹線は再び動き出しました。
 すぐに新大阪に着きます。
 私は状況が読めません。
 新大阪に着いたからといって慌てて対応する雰囲気もなさそうです。
 とりあえず、皆、順番に降りているのでそれに続きます。
 降りるときにデッキを見ましたが倒れた方はすでに降りられたようです。
 私がホームに降りたとき、車椅子に座った40代ぐらいの男性とその横に女性、駅員さんの姿がありました。
 ちょっと照れくさそうにしている男性の姿でした。
もし私がその女性ならと想像してみました。
 まず、「キャ!」はどこを押しても出てこなさそうです。
 「うわっ!」といい、大丈夫?と問われたら、「大丈夫やと思います」とか「えぇどやろ?!」とか「どうしょう」とかぐらいでしょうか。
 「大丈夫じゃないです!」も私の口からは出てこなさそうです。
 「キャ!」といい「大丈夫じゃないです!」と言える女性が私には新鮮でした。
新大阪からはJRおおさか東線に乗り換えて帰ります。
 今後、同じような事態に遭遇したとき、新幹線を止めずに車掌さんに連絡を取る方法はないのかが知りたくなります。
 帰り道々、ググります。
確か、トイレの中に緊急時ブザーがあったように思います。
 それを押すと、同じように新幹線が止まってしまうのでしょうか。
 新幹線を止めるのはなかなか勇気がいるじゃないですか。
 今回のように、新大阪駅のほん手前ならそんなに気兼ねもしませんが、新幹線を止めるのはおおごとです。
 先ほどの新幹線の中、男性がSOSボタンを押すのを見ていましたが、まさか新幹線が止まるとは思っていませんでした。
 多分、押した男性も周りの人もただただこの事態を車掌さんに知らせたいという気持ちだったのではないでしょうか。
 新幹線が止まったことに一様に驚いていましたから。
新幹線を止めずに、まずは車掌さんに連絡を取りたいとき、いったいどうしたらいいのでしょう。
ググった結果、先ほどの非常時のSOSボタンが押されると、運転士さんは新幹線を停止させることになっているとのことです。
 トンネル内で火災が発生したときには押さないようにと注意書きもあるようです。
 人は思いもよらぬ出来事に遭遇すると平静を失い、突発的に行動しがちです。
 そのときの状態を冷静に判断して押すボタンを選ぶなんてことはなかなか難易度が高いように思います。
私はシンプルにお願いしたいです。
 新幹線の中で何かあったら押すボタン。
 これさえ押したらええねんってボタンはどれなんでしょう。
こんな記事を見つけました。抜粋します。
まず、トイレに設置されている「連絡用ブザー」。これを押すとトイレ周辺でブザーが鳴り、合わせて、どこのトイレで押されたかが乗務員に通報され、対応が行われます。
またこのとき、トイレ付近の通路天井に赤ランプが点灯。そこのトイレでブザーが押されたことが、ひと目で分かるようになっています。
JR東海によるとこの「連絡用ブザー」は、体調不良の際はもちろん、万が一“紙”が無い場合などに使われることも想定しているそうです。
参照元:新幹線で不測の事態 乗客が覚えておくべきこと
いろいろググると、乗務員さんと話せるSOSボタンはデッキにあると書かれている記事も目にしました。
 次回、新幹線に乗るときはこの辺りの確認をしたいと思っています。
何はともあれ、何かあったら近くのトイレのブザーです。
 取り急ぎ、トイレブザーを心に溜めることにします。